石丸保(読み)いしまるほ

日本歴史地名大系 「石丸保」の解説

石丸保
いしまるほ

篠木しのき庄域内にあったが、現在のどの辺りかははっきりしない。石丸名・石丸郷ともいう。建武元年(一三三四)篠木庄の地頭円覚えんがく寺請所とすることで最初和談が成立したが、国衙下地進止を主張した。約二年後、地頭円覚寺は篠木庄の領家広義門院(後伏見女御藤原寧子)に「国衙濫妨」を訴えたので、領家はさらに光厳上皇院庁に提訴した。一二月六日院宣により国衙濫妨を停止し、国衙方も言い分があれば訴訟手続をきちんと踏むように国司に命じた。円覚寺側が得宗領だった頃の前地頭済例に任せて、毎年国衙正税として糸二〇両・綿六両・銭二〇貫一五〇文を納めることにしたので、暦応元年(一三三八)国衙側は下地についての永代訴訟を取下げた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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