篠木庄(読み)しのきのしよう

日本歴史地名大系 「篠木庄」の解説

篠木庄
しのきのしよう

現春日井市西部と現小牧市西部一帯。旧春部かすがべ郡内にあった長講堂領。志濃幾・篠城とも書く。中世史料によれば、野口のぐち村・大山おおやま寺・大草おおくさ(現小牧市)石丸いしまる保・白山円福しらやまえんぷく寺・玉野たまの郷・宇津々うつつ山・押入郷・石井いしい郷・野田のた薬師寺(密蔵院)下郷が篠木庄内とみえる。成立は天養元年(一一四四)で、鳥羽法皇院庁牒案(円覚寺文書)によれば、皇后(美福門院藤原得子)宮職領畑が諸郡に散在していたのでその煩を除くため、春部郡東条の篠木郷田畑などをその代りとし、一円の地を占めて立券された。

美福門院得子から後白河法皇に伝領され、法皇はこれを長講堂領とした。建久三年(一一九二)に宣陽門院(後白河皇女覲子)に伝領されたが、前年の長講堂領課役注進状案(島田文書)によれば、当庄の一年中の課役は、元三雑事や法華八講など寺家諸行事の用途や仕丁・門兵士などである。領家職は、弘安八年(一二八五)に後深草上皇により中宮の東二条院(藤原公子)方に進められ、円覚寺文書によれば、建武―暦応(一三三四―四二)頃は広義門院(後伏見女御藤原寧子)が、応永一四年(一四〇七)頃は日野資教が領家であったと思われる(「長講堂領目録」八代恒治氏所蔵文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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