日本大百科全書(ニッポニカ) 「石原産業(株)」の意味・わかりやすい解説
石原産業(株)
いしはらさんぎょう
石原広一郎(ひろいちろう)が中心となって創立、経営した鉱山開発会社。1920年(大正9)9月、マレー半島スリメダン鉄山経営のために設立された南洋鉱業公司(コンス)に始まる。その後鉄鉱石の八幡(やはた)製鉄所への特約納入によって発展、鉱石運搬のため海運業にも進出し、1929年(昭和4)8月に石原産業海運と改称。1935年にはボーキサイトの開発輸入、そのほか東南アジアおよび国内で次々と鉱山開発を行い急成長を遂げた。1941年には鉱石より製品までの一貫作業を目ざして四日市工場を建設、43年に海運業を切り離して石原産業と改称。敗戦による海外資産喪失後は、経営の重点を化学工業部門に移し、酸化チタンと農薬の有力メーカーとなっている。資本金420億円(2008)、売上高1173億円(2008。連結ベース)。
[立松 潔]
[参照項目] |