翻訳|bauxite
アルミニウムとアルミナの主要な原料鉱石。名前は最初の産地フランスのアルル地方のレ・ボーLes Bauxにちなむ。化学組成は一般的にAl2O340~60%,Fe2O31~25%,SiO21~10%,TiO21~10%,H2O12~30%である。Alは主として水酸化アルミニウム鉱物(ギブサイトAl2O3・3H2O,ベーマイトAl2O3・H2O),Feは大部分針鉄鉱,SiO2の多くはカオリンなどの粘土鉱物として存在する。モース硬度1~3,比重2.5前後。ボーキサイトは,熱帯の風化作用で岩石中のアルカリ・アルカリ土類元素の溶脱やケイ酸塩鉱物の分解が行われて,鉄とアルミニウムの水酸化物が残留してできると考えられている。ボーキサイトは最近新しい鉱床が多く発見されて埋蔵量は相当増えた。1965年の世界の埋蔵量は約58億tと推定されていたが,93年には約232億tと推定された。生産量は96年に世界11400万t,うちオーストラリア4300万t,ギニア1400万t,ジャマイカ1200万tである。日本にはボーキサイトは産出しない。
執筆者:嶋崎 吉彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
Al2O3・2H2Oに近い化学組成の鉱物.色は白,帯黄,褐色などさまざまであり,産状も結核状,塊状,土状などいろいろである.通常,酸化物のほか,ケイ酸,マグネシウムなども少量含む.必ずしも1種類の含水アルミニウム鉱物ばかりでなく,ジプサイトAl2O3・3H2O,ベーマイトAl2O3・H2Oを主成分とするものがある.金属アルミニウム,耐火物,アルミナセメントなどの原料として重要である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
… アルミニウムは,アルミノケイ酸塩鉱物などとして広く地球上に存在し,地殻中の存在度は酸素,ケイ素に次いで第3位であるが,金属元素としては第1位である。おもな鉱物としては,長石,雲母,ボーキサイト,氷晶石,カオリナイトなどがあるが,とくにボーキサイトはアルミニウム生産の最重要鉱物である。宝石としてのサファイアおよびルビーの本体は,ともにアルミニウムの酸化物Al2O3で,コランダムと呼ばれる鉱物の一つである。…
…岩石や鉱床が地表で風化・浸食作用をうけ,水に溶けやすい成分や分解しやすい鉱物が運び去られることにより,溶けにくい成分や分解しにくい鉱物が濃集してつくる鉱床。水に溶けにくい成分が濃集してつくる鉱床としては,アルミニウムの資源としてもっとも重要なボーキサイト鉱床,ニッケルのケイニッケル鉱鉱床,マンガン鉱床などがある。ボーキサイトは高温多湿の熱帯地方で風化により岩石を構成する鉱物が分解し,水に溶けやすいアルカリやアルカリ土類元素などが溶出して,難溶性のAl2O3(50~60重量%),Fe2O3(1~25%),TiO2(1~15%)などが土壌に残留したもので,現在地表で生成しつつあるものから過去の地質時代のものまで知られている。…
※「ボーキサイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...