アルミニウムの主要鉱石の一つ。おもに水酸化アルミニウムの鉱物(ギブス石、ベーム石など)からなり、現在あるいは過去の、熱帯地方における激しい風化作用(いわゆるラテライト化laterization)の結果、アルミニウムに多少とも富む岩石、すなわち泥質堆積(たいせき)岩、閃(せん)長岩、玄武岩などから生成される。水酸化アルミニウムの鉱物は球顆(きゅうか)(スフェルライトspherulite、針状物質の放射状集合体)をつくりやすく、これに少量の不純物である赤鉄鉱や針鉄鉱が混入して、特徴的な球顆状構造をもつ岩石がつくられる。これがボーキサイトであり、一般に柔らかく、比重2.5以下、酸で分解しやすい。アルミニウムの精錬では、氷晶石と蛍石(ほたるいし)を加え、電気炉で熱して比較的低温で融解させ、電気分解を行う。日本ではほとんど産しないが、香川県屋島において、安山岩の溶岩台地の上にごく小規模な不純分に富む水酸化アルミニウム鉱物を主成分とする土壌様のものがみられた。英名は原産地フランスのボーBauxにちなむ。
[加藤 昭]
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Al2O3・2H2Oに近い化学組成の鉱物.色は白,帯黄,褐色などさまざまであり,産状も結核状,塊状,土状などいろいろである.通常,酸化物のほか,ケイ酸,マグネシウムなども少量含む.必ずしも1種類の含水アルミニウム鉱物ばかりでなく,ジプサイトAl2O3・3H2O,ベーマイトAl2O3・H2Oを主成分とするものがある.金属アルミニウム,耐火物,アルミナセメントなどの原料として重要である.
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… アルミニウムは,アルミノケイ酸塩鉱物などとして広く地球上に存在し,地殻中の存在度は酸素,ケイ素に次いで第3位であるが,金属元素としては第1位である。おもな鉱物としては,長石,雲母,ボーキサイト,氷晶石,カオリナイトなどがあるが,とくにボーキサイトはアルミニウム生産の最重要鉱物である。宝石としてのサファイアおよびルビーの本体は,ともにアルミニウムの酸化物Al2O3で,コランダムと呼ばれる鉱物の一つである。…
…岩石や鉱床が地表で風化・浸食作用をうけ,水に溶けやすい成分や分解しやすい鉱物が運び去られることにより,溶けにくい成分や分解しにくい鉱物が濃集してつくる鉱床。水に溶けにくい成分が濃集してつくる鉱床としては,アルミニウムの資源としてもっとも重要なボーキサイト鉱床,ニッケルのケイニッケル鉱鉱床,マンガン鉱床などがある。ボーキサイトは高温多湿の熱帯地方で風化により岩石を構成する鉱物が分解し,水に溶けやすいアルカリやアルカリ土類元素などが溶出して,難溶性のAl2O3(50~60重量%),Fe2O3(1~25%),TiO2(1~15%)などが土壌に残留したもので,現在地表で生成しつつあるものから過去の地質時代のものまで知られている。…
※「ボーキサイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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