圧縮(読み)あっしゅく

精選版 日本国語大辞典 「圧縮」の意味・読み・例文・類語

あっ‐しゅく【圧縮】

〘名〙
① 圧力を加えて、物体を押し縮めること。特に力学で、気体液体固体に圧力を加え、その容積を縮小すること。
舎密開宗(1837‐47)内「故に酸素瓦斯の減耗する分量を実測すること能はず。此憂を避る法は、頸ある鐘の頸に獣脬を帽(おほ)ひ縛し、之を圧縮して用ふ」
② 広がって大きくならないように押さえ縮めること。
※島崎藤村論(1953)〈亀井勝一郎処女崇拝と罪の悦び「これは二行づつに区切って、それだけに情熱は圧縮されて激しい」
文章などを縮めて短くすること。
④ 心理学で、あるものに、二つ以上のものの特性が重複すること。夢、または神話、統合失調症患者の絵などに見られる。
⑤ コンピュータで、ファイルを加工または変換して、その容量を小さくすること。

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デジタル大辞泉 「圧縮」の意味・読み・例文・類語

あっ‐しゅく【圧縮】

[名](スル)
物質に圧力を加えて容積を縮小すること。圧搾。「空気を圧縮する」
規模を小さくすること。数量や割合を減らすこと。「予算枠を圧縮する」「人件費圧縮する」「削減率を圧縮する」「赤字圧縮
コンピューターで、ファイルを加工または変換して、その容量を小さくすること。コンプレッション。「複数のファイルを圧縮してメールに添付する」「原音を圧縮せずに記録する」→解凍2
文章などを要約して短くすること。
[類語]収縮萎縮縮小縮み短縮凝縮濃縮圧搾凝結凝固縮めるつづめる詰める切り詰める狭める約する縮約短い短め短小寸足らず寸詰まり最短ちんちくりんつんつるてんショート三寸縮まる

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知恵蔵 「圧縮」の解説

圧縮

データをより少ないデータ量に変換する作業が圧縮、圧縮されたデータを元に戻す作業が解凍である。「解凍」という用語は、圧縮ファイルから元データを取り出すことを冷凍食品の解凍に見立てたもの。また音楽や映像などを圧縮して記録するMP3MPEG2JPEGなどの規格では、圧縮前に人間の気がつきにくい部分を省略してデータを単純化して圧縮効率を上げている。このような方式を、解凍しても元データとまったく同じにはならないという意味で「不可逆圧縮」と呼ぶ。一方、解凍したデータが元データと完全に一致する方式を「可逆圧縮」という。

(斎藤幾郎 ライター / 2007年)

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IT用語がわかる辞典 「圧縮」の解説

あっしゅく【圧縮】

コンピューターや各種デジタル機器で扱われるファイルやデータの容量を、内容の実質的変化を伴わずに縮小すること。通信時間の短縮や、ハードディスクなどの容量消費を軽減するために行う。⇔解凍 ◇「データ圧縮」「ファイル圧縮」ともいう。

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パソコンで困ったときに開く本 「圧縮」の解説

圧縮

データ量を小さくすることです。圧縮されたファイルはもとに戻さないと利用できません。小さくしたり、もとに戻したりするには、専用ソフトを使います。圧縮には複数の規格があります。データをより小さくする(圧縮率を高くする)には、多くの計算が必要で、時間がかかります。圧縮時に圧縮率を指定できることもあります。
⇨JPEG、LZH、MP3、ZIP、
可逆圧縮、不可逆圧縮

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「圧縮」の解説

圧縮

データを元のサイズよりも小さくすること。データ量の大きなファイルを小さくすることでディスク容量の消費を減らしたり、通信にかかる時間やネットワークへの負荷を抑えられる。ファイルの圧縮に使われるソフトウェアを圧縮ツールといい、LHA、ZIPなどがある。画像や動画、音声のファイル形式として一般的に使われているJPEG、MPEGなども圧縮形式のひとつ。

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普及版 字通 「圧縮」の読み・字形・画数・意味

【圧縮】あつしゆく

ちぢめる。

字通「圧」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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