破戒(仏教)(読み)はかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「破戒(仏教)」の意味・わかりやすい解説

破戒(仏教)
はかい

一度受戒した者が戒の禁止条項を守らず、破ること。戒には大乗小乗の違いがあり、それらもまた多岐にわたる。したがって罪過として禁ずる内容も多様で、罪の軽重にも差があるが、一般的には軽重にかかわりなく、戒の制止を破れば、破戒である。ただ小乗の四分律(しぶんりつ)では波羅夷(はらい)、僧残(そうざん)、偸蘭遮(ちゅうらんじゃ)とよぶ重罪に限っていい、他の軽罪を破威儀(はいぎ)として区別する。

石田瑞麿

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