化学辞典 第2版 「硝酸カリウム型構造」の解説
硝酸カリウム型構造
ショウサンカリウムガタコウゾウ
potassium nitrate type structure
あられ石型構造(aragonite type structure)ともいう.組成がABX3の形に書き表される無機化合物における典型的構造の一つ.斜方晶系で空間群Pcmnの対称性をもち,単位格子中に4化学単位が含まれる.Aは金属イオン,BX3はCO32-,NO3-などの平面三角形型の陰イオンである.金属イオンはひずんだ六方最密構造型配列をしており,BX3は6個のA原子の中心に位置する.あられ石CaCO3のほか,K,Sr,Ba,Pbなどイオン半径の比較的大きな金属の炭酸塩,硝酸塩がこの型の構造をとり,イオン半径の小さな金属の場合は方解石型構造をとる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報