硬鱗魚(読み)こうりんぎょ(英語表記)ganoid fish

改訂新版 世界大百科事典 「硬鱗魚」の意味・わかりやすい解説

硬鱗魚 (こうりんぎょ)
ganoid fish

光鱗魚とも書く。硬骨魚綱の条鰭(じようき)亜綱の軟質類や全骨類に属する魚で,体が硬い菱形のうろこで覆われているものの総称。うろこの表面は硬いエナメル様のガノイン層で,つやがあり,その下に海綿状の歯質があり,基板は骨質でできている。硬鱗魚は古生代シルル紀に出現し,中生代に繁栄したが,新生代後半の第三紀に入って急に減少した。現在では北米大陸のロッキー山脈より東の地域の河川や湖,およびキューバなどに数種が生息しているにすぎない。レピソステウス属Lepisosteusがそれである。吻(ふん)が長く,鋭い歯をもっている。体は細長い紡錘形で,背びれもしりびれも体の最後部についている。動きはにぶく,大きなものは1m以上になり,ワニと間違えられるようなものもいる。化石としては世界各地から発見されており,日本でも山口県や沖縄の三畳紀の地層から報告されている。古生代や中生代の魚類には硬鱗に体を覆われているものが多く,これらの魚を一般に硬鱗魚と呼んでいるが,種々の系統の違ったものが含まれており,分類学的に認められた一群ではない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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