(読み)けつ

精選版 日本国語大辞典 「碣」の意味・読み・例文・類語

けつ【碣】

  1. 〘 名詞 〙 円形石碑。いしぶみ。〔法書要録

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普及版 字通 「碣」の読み・字形・画数・意味


14画

[字音] ケツ・カツ
[字訓] いしぶみ・たちいし

[説文解字]

[字形] 形声
声符は曷(かつ)。曷は屍霊を呵して責め、呪詛(じゆそ)などを行う意。行き倒れを葬るとき(けつ)を立て、その霊を鎮めた。〔説文〕九下に碣を「特立するの石なり」とし、「東に碣石山り」と自然石と解するが、もと碑碣の意。墓表として立てるものをいう。棺を墓坑に下ろすとき、紐をけるのに用いた石柱に、名姓をしるし、のち伝記・行状をしるした。記念碑的なものを碣という。

[訓義]
1. いしぶみ、碑碣。
2. たちいし、大きな高い石。
3. 岩山の特立するさま。
4. 掲・挙と通じ、あげる、高くあげる。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕碣 クダク 〔立〕碣 ヲトメイシ

[語系]
碣・(掲)kiatとgiat、また擧(挙)kiaは声義近く、掲挙・掲示の意がある。

[下接語]
古碣・石碣・碑碣・標碣・墓碣・銘碣・立碣

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【金石文】より

…また金文は殷以来鋳銘で陰文がほとんどであるが,まれに陽文もあり,さらに戦国末にはたがねによる線刻も行われるようになった。 石刻には碑,碣(けつ),墓誌,造象,磨崖(まがい)などがあるが,主要なものは碑,碣,墓誌の三つである。碑は本来は廟門に立てて犠牲をつないだり,墓所に立てて棺を縄で墓中につり下ろすときに用いられたものである。…

【石碑】より

…碑身は扁平な板石で,文章を刻みつけるところ。頭部を半円形(円首)もしくは三角形(玉器の圭に似るので圭首という)につくり,前者を碣(けつ),後者を碑とよびわけることもある(碑碣(ひけつ))。円首では縁の円弧にそって凹線を刻み,これを暈(うん)という。…

【碑碣】より

…中国で文章を刻して記念とする立石の2形式。碣の方が古く,断面が円みを帯び上部に比べて下部の太い石を立て,その表面に文章を刻した。秦の始皇帝の刻石や高句麗の好太王陵の刻石がその実例。…

※「碣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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