確信度係数(読み)かくしんどけいすう(その他表記)certainty factor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「確信度係数」の意味・わかりやすい解説

確信度係数
かくしんどけいすう
certainty factor

多くの知識をデータベース化して情報処理をする知識工学の分野で,知識の不確実度を表すのに広く用いられる数値CFと略されることも多い。知識工学は,多くの知識をもつ人間の思考過程をモデル化して,融通のきく「やわらかい情報処理」をコンピュータに可能にさせることを目指すが,そこで使用する推論の基本は曖昧さのない記号処理であり,現実の問題でしばしば直面する不確実性 (曖昧さ) を扱うには工夫が必要である。必ずしも常に確実な知識を得られるとはかぎらない医療診断などでは,「熱が 40℃以上ある」「鼻水が出る」という事実があるとき,「風邪である」確かさの度合いを,たとえば「もし,熱が 40℃以上あって鼻水が出るならば,0.8だけ風邪であると考えられる」というように-1から+1までの範囲の数値で表現する。このような数値を確信度係数,または CF値という。証拠となる事実に基づいて推論される事実との間に数値 (CF値) 付きのルールを用いて推論を進める。なお,曖昧さを取り扱う理論としては,ファジー理論もある (→ファジー論理 ) 。

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