風邪(読み)かぜ(英語表記)cold

翻訳|cold

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

風邪
かぜ
cold

感冒ともいう。鼻,のど,気管支などの粘膜に起る炎症性の病気の総称。風邪症候群と呼ぶほうが正しい。ウイルス上気道感染によるものが多いが,一般にインフルエンザとは区別されている。多くは,疲労,寒冷などのストレス刺激が関係しており,頭痛,微熱,不快感,上気道炎,鼻炎,各種のアレルギー症状,ときには胃腸障害などの症状もあるが,2次感染がなければ安静だけで軽快する。

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百科事典マイペディアの解説

風邪【かぜ】

感冒とも。種々の原因による上気道の急性炎症の総称のことで,風邪症候群ともいう。物理的・化学的刺激によるもの,アレルギー性のものなど非感染性のものを含めることもあるが,普通は感染性,特にウイルスによる上気道の炎症をいう。寒冷は発症にそれほど関係しないという。病因には,ライノウイルス,アデノウイルス,エコーウイルス,コクサッキーウイルス,インフルエンザウイルス,パラインフルエンザウイルス等があり,ウイルス以外にマイコプラズマ(PPLO)という微生物も考えられている。症状は病因ウイルスによって軽重があるが,全身倦怠(けんたい),熱感,頭痛,鼻閉などがあり,鼻汁は水様〜粘液性〜膿性である。中耳炎,副鼻腔(びくう)炎,頸部リンパ節腫大,口唇(こうしん)ヘルペスを合併することが多く,細菌性二次感染によって呼吸器疾患などを起こすことがある。インフルエンザを除いてワクチン予防はない。特殊な治療薬もなく,風邪薬と呼ばれるものは対症療法剤にすぎないが,細菌性二次感染(肺炎など)を防ぐための抗生物質投与,安静,十分な水分,消化しやすい食事が大切である。→対症療法
→関連項目葛根湯上気道炎ひきつけ冷房病

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とっさの日本語便利帳の解説

風邪

様々な病原体による上気道感染を一般に“風邪”と呼んでいる。インフルエンザと区別されることがあるが、上気道感染を起こすという意味では実際上区別することが困難。

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世界大百科事典 第2版の解説

かぜ【風邪 cold】

感冒ともいう。一般には,くしゃみ,鼻汁,鼻閉,咳,のどの痛み,しわがれ声などの呼吸器症状に加えて,発熱,全身倦怠,頭痛,下痢,関節や筋肉の痛みなどの〈風邪様症状〉を伴う比較的軽症の疾患群をさすが,医学的には必ずしも明確に定義されているわけではなく,研究者によって,その定義や範囲は微妙に異なっている。しかし,いずれにせよ,単一の疾患ではなく,症候群とされ,〈風邪症候群〉とよばれることが多い。風邪症候群は最も普通には〈いろいろな原因で起こる,非特異的上気道炎〉と定義され,主としてウイルスの感染,ときに寒気やガスなどの物理・化学的な刺激やアレルギー性の原因によって起こる上気道(鼻から喉頭までの部分)の急性炎症をさす。

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大辞林 第三版の解説

かぜ【風邪】

〔「風」と同源〕
呼吸器系の炎症性の病気で、単一の疾患ではなく、医学的には風邪症候群という。熱がでて寒けがし咳が出る。感冒かんぼう。ふうじゃ。 [季] 冬。

ふうじゃ【風邪】

かぜ。感冒。 「今-で寝てゐるが/渋江抽斎 鷗外

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精選版 日本国語大辞典の解説

ふう‐じゃ【風邪】

〘名〙
① 体内にはいって種々の病気を引き起こすとされる風。
医心方(984)一七「病源論云、諸陽気在表、陽気盛、則表熱因運動労役、湊理則虚而開、為風邪所一レ客、風熱相搏、留於皮膚、則生創」
② かぜ。かぜひき。感冒。《・冬》
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四「折節風邪(フウジャ)の煩ひに」 〔道徳指帰論‐巻五〕

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世界大百科事典内の風邪の言及

【インフルエンザ】より

…発熱はふつう3~5日継続する。インフルエンザウイルス以外による感染症でも,同じような上気道の炎症で始まることが多く,とくに感冒症候群(風邪)と呼ばれているものとは区別しにくい。感冒症候群は明確な流行の形をとらない場合が多いが,確実な診断は血清学的検査によってインフルエンザウイルスに対する抗体価を測定する以外に方法はない。…

【嗽】より

…また,うがいを行っても,その作用の及ぶ範囲は口腔内と咽頭の前方のみで,咽頭の後方や,下の方にまで効果を期待するには,咽頭洗浄法や吸入療法,ネブライザー療法などによらねばならない。 風邪やインフルエンザの流行時には,学校保健の立場からいっせいにうがいが励行されるが,風邪そのものに対する予防ならびに治療効果はない。しかし,〈病気に対しては清潔の保持が基本となる〉という考え方に立つならば,口内をきれいにしておくことは,間接的には予防に役立つといえよう。…

【鼻炎】より

…また病気の起り方と治り方とから急性と慢性とに分類される。
[急性鼻炎]
 最も多いものは風邪症候群の一部分である鼻の症状で,風邪の前ぶれ(前駆症状)であることも,風邪が鼻に残った(後遺症状)であることもある。また風邪のほかに,はしか,風疹,水痘,インフルエンザなどのウイルス性疾患,猩紅(しようこう)熱などの細菌性疾患でも急性鼻炎の症状を呈する。…

【インフルエンザ】より

…発熱はふつう3~5日継続する。インフルエンザウイルス以外による感染症でも,同じような上気道の炎症で始まることが多く,とくに感冒症候群(風邪)と呼ばれているものとは区別しにくい。感冒症候群は明確な流行の形をとらない場合が多いが,確実な診断は血清学的検査によってインフルエンザウイルスに対する抗体価を測定する以外に方法はない。…

【病気】より

…初期に考えられていた病変を起こす気は外界にある邪気で,風とか湿のような形をとって体内に侵入するとした。とくに重視されたのは風邪(ふうじや)であって,たとえば中風はもとは風邪によって起こされた発熱性疾患であり,破傷風は傷口に風邪が侵入して起こった病気という考えであった。したがって,その治療にも薬物などのほかにまじないが重視された。…

【風病】より

…中国医学で風邪(ふうじや)によって起こされると考えていた一群の病気。風邪は冷たい風に当たって悪寒や発熱を起こすというようなことから想定されたのであろうが,傷口に風邪が侵入して破傷風を起こすと考えたように,風以外に,細菌やウイルスなど目に見えない外因も含んでいる。…

※「風邪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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