磁性アタッチメント(読み)じせいアタッチメント(その他表記)Magnetic attachment

六訂版 家庭医学大全科 「磁性アタッチメント」の解説

磁性アタッチメント
じせいアタッチメント
Magnetic attachment
(歯と歯肉の病気)

磁性アタッチメントとは

 磁性アタッチメントとは、磁石の力を利用して入れ歯支台歯(しだいし)(支えとなる歯)に連結し、その維持、安定を図る装置のひとつです。基本形態としては、入れ歯に磁石を埋め込み、これにくっつくキーパーと呼ばれる磁性ステンレス鋼を歯の根に土台として埋め込みます(図46)。

利点と欠点

 普通の入れ歯は、あごの形や歯の位置の状態によってがたつきやすくなったり、長く使用することによって、バネなどが変形してしまうことがあります。これに対して磁性アタッチメントには、

①長期間の使用においても壊れにくく維持力が失われない。

②キーパーの厚さや磁石とキーパーとの間隔を変えることで、維持力のコントロールが確実かつ簡単にできる。

③どの方向からも入れ歯を出し入れできる。

④見た目がよい。

⑤できあがった入れ歯は複雑な形ではないので、取り扱いが簡単である。

⑥入れ歯を取り外す時に歯に余分な力がかかりにくい。

などの利点があります。

 欠点としては、

①磁石を入れるためのスペースが義歯に必要であり、義歯床が薄くなると義歯破折(ぎしはせつ)の危険がある。

②義歯の下に歯の根があるため、むし歯歯周病(ししゅうびょう)を防ぐための歯ブラシがかけにくい。

③歯科医療保険の適応外の治療で、費用が高くなる。

などがあげられます。

羽村 章


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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