改訂新版 世界大百科事典 「磁鋼片」の意味・わかりやすい解説 磁鋼片 (じこうへん)magnetic link 落雷によって発生する雷撃電流の大きさを記録する装置。永久磁石を作るのに用いられる磁鋼材を細長く切り絶縁物で包んだ円柱形で,直径1cm,長さ5cm程度,もっと小さいものもある。これを避雷針や送電線の鉄塔などの近くに設置しておく。雷撃電流が流れるとその磁界によって磁鋼材が磁化されるので,あとから磁鋼片の残留磁気を測れば雷撃電流の大きさを知ることができる。 電力事業開始以来,雷害に苦しめられてきたが,1932年に磁鋼片がアメリカで発明され,その簡便さから多数の雷撃電流の実測値が得られ,送電線の耐雷設計の進歩に貢献した。今日でも広く雷実測に用いられている。執筆者:河野 照哉 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by