雷雲と大地との間におこる雷放電。対地放電ともいう。雷雲の下部から中部にかけて蓄積された電荷(通常の雷では負電荷)と、それに誘導された反対符号の地表面電荷とが火花放電によって中和される現象である。これに対して、雲の中の正負の電荷間でおこる放電は雲放電(くもほうでん)とよばれる。落雷の閃光(せんこう)の継続時間は平均0.2秒ほどであるが、そのなかには数回の雷撃(雲と大地の間を往復する電光放電)が含まれている。雷撃電流の波高値は5~100キロアンペアに達するが、1回の落雷で中和される電気量は夏季の落雷では平均20~30クーロンにすぎない。
[三崎方郎]
『竹内利雄著『雷放電現象』(1987・名古屋大学出版会)』▽『饗庭貢著『雷の科学』(1990・コロナ社)』▽『速水敏幸著『謎だらけ・雷の科学――高電圧と放電の初歩の初歩』(1996・講談社)』▽『岡野大祐著『カミナリはここに落ちる――雷から身を守る新しい常識』(1998・オーム社)』▽『北川信一郎著『雷と雷雲の科学――雷から身を守るには』(2001・森北出版)』▽『ピーター・ハッセ、ヨハネス・ヴィジンガー著、加藤幸二郎・森春元訳『雷保護と接地マニュアル――IT社会のアキレス腱』(2003・東京電機大学出版局)』▽『中谷宇吉郎著『雷』(岩波新書)』
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…この電荷分離は-20~-40℃の低温域で行われているので,氷と氷の接触する界面現象に起因すると考えられている。
[落雷と雲放電,電光の形態]
図3に示す雲中の負電荷と,地表に誘導される正電荷との間に起こる放電が,落雷であり,雲中の正負両電荷の間の放電は雲放電とよばれる。背の低い冬の雷雲では,上部の正電荷と地表との間で放電を起こす落雷もしばしば発生する。…
※「落雷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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