雷撃による被害を防ぐための設備。金属製の突針(とっしん)を空中高く設置し、雷撃の電流を銅あるいはアルミの導線によって地中に導く。保護範囲は、突針から地面へ鉛直線を下ろしたとき、これから60度以内、危険物に対しては45度以内とされているが、雷撃電流の状況によっては、保護範囲内でもまったく安全とはいいがたい。雷撃の電流は数十キロアンペアあるいはさらに大きい場合があるので、これをスムーズに流すため、接地抵抗は10オーム以下にする必要がある。建物の屋上に導線を張り巡らしたり、手すりを利用し、これを接地して避雷針のかわりにすることもできる。広い面積をカバーするには、長い導線を水平に張った架空地線が効果的である。導線を、1辺が2メートル以下の網目のようにして建物全体を覆う方法は、ケージ式とよばれている。避雷針の構造などは、JIS(ジス)(日本工業規格)で決められている。
[篠原武次]
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[避雷の心得]
雷雲が近づいてきたら安全な場所に避難すること。避雷針を備えた建物の中や駐車場や道わきに止めた車の中は安全である。車の運転中雷に出会ったらすみやかに道路わきに止めること。…
※「避雷針」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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