避雷針(読み)ヒライシン

デジタル大辞泉 「避雷針」の意味・読み・例文・類語

ひらい‐しん【避雷針】

建造物落雷から守るために屋上などに立てる、先のとがった金属棒。導線地面と接続し、地中へ放電させる。避雷柱

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精選版 日本国語大辞典 「避雷針」の意味・読み・例文・類語

ひらい‐しん【避雷針】

  1. 〘 名詞 〙 落雷の被害を防ぐため建造物にとりつける、突針を持った棒状装置。突針部は太い銅線で、地中に埋められた接地電極によって接地され、雷の電流を地中に放電する。避雷柱。
    1. [初出の実例]「天子は恰も雷と避雷針と両様の力あるものの如し」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「避雷針」の意味・わかりやすい解説

避雷針
ひらいしん

雷撃による被害を防ぐための設備。金属製の突針(とっしん)を空中高く設置し、雷撃の電流を銅あるいはアルミの導線によって地中に導く。保護範囲は、突針から地面へ鉛直線を下ろしたとき、これから60度以内、危険物に対しては45度以内とされているが、雷撃電流の状況によっては、保護範囲内でもまったく安全とはいいがたい。雷撃の電流は数十キロアンペアあるいはさらに大きい場合があるので、これをスムーズに流すため、接地抵抗は10オーム以下にする必要がある。建物の屋上に導線を張り巡らしたり、手すりを利用し、これを接地して避雷針のかわりにすることもできる。広い面積をカバーするには、長い導線を水平に張った架空地線が効果的である。導線を、1辺が2メートル以下の網目のようにして建物全体を覆う方法は、ケージ式とよばれている。避雷針の構造などは、JIS(ジス)(日本工業規格)で決められている。

[篠原武次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「避雷針」の意味・わかりやすい解説

避雷針
ひらいしん
lightning rod

落雷から建造物を守り,火災,破損,人畜への傷害を防ぐための装置。突針部,避雷導線,接地電極の3部から成り,避雷針の設備が完全であれば雷による衝撃電流を地中へ導く。避雷針の有効範囲は,突針からの垂直線との間の角 (保護角) が 60°となる円錐内とされている。突針には直径 12mm以上の銅棒を用いる。避雷導線は断面積 30mm2以上の銅線か銅管を2条以上用い,それぞれに1個以上の接地電極を接続する。接地電極は厚さ 1.4mm,面積 0.35m2以上の銅板を用いる。接地抵抗はそれぞれ 20Ω以下,総合で 10Ω以上にする。

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百科事典マイペディア 「避雷針」の意味・わかりやすい解説

避雷針【ひらいしん】

建造物を落雷から保護するための装置。屋上に突針を設け導線を通じて接地電極に接続する。突針の先端を頂点とする円錐を考え,保護範囲を定めるが,その頂角の1/2を保護角といい,普通の建物では60°以下,危険物貯蔵庫では45°以下とされる。

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世界大百科事典(旧版)内の避雷針の言及

【避雷】より


[避雷の心得]
 雷雲が近づいてきたら安全な場所に避難すること。避雷針を備えた建物の中や駐車場や道わきに止めた車の中は安全である。車の運転中雷に出会ったらすみやかに道路わきに止めること。…

※「避雷針」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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