日本歴史地名大系 「神通寺」の解説 神通寺じんつうじ 福井県:小浜市遠敷村神通寺[現在地名]小浜市遠敷検見坂(けみざか)の東山裾にある。竜雲山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。寛保三年(一七四三)成立の竜雲山神通寺記(寺蔵)によれば、延暦一六年(七九七)の創建と伝え、当初は華厳・法相を兼学、のち真言宗になり、応安年中(一三六八―七五)兵火で焼失、応永二二年(一四一五)当地の領主内藤下総守が檀越となって再建、大円宗智を招いて曹洞禅に改宗したという。しかし、内藤氏による再建が事実とすれば、内藤氏は武田氏の被官だから、永享一二年(一四四〇)以降ということになる。同寺記は内藤下総守の戒名を「真慶院殿大機竜雲大居士」と記すが、真慶院殿の没年は享禄二年(一五二九)で、同年一二月日の武田元光寄進状(尊経閣文庫所蔵文書)によれば、来月二四日の真慶院一周忌追善のため位牌所として神通寺を高除け地とし、今後当寺領に関しては寄進状に記された約諾のほかは万雑公事を免除したとある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報