→「だんか(檀家)」の語誌
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…僧に帰依し衣・食・住に関する物資を施入する信者や,寺の開基となったり,また寺の経営を支える檀信徒など,仏教を後援する人をいう。禅宗では檀那拈香(ねんこう)と称して香を拈じてたき,寺の開基となった檀越を供養し,また檀那諷経(ふぎん)と称して檀越の繁栄を祈禱し,祖先の追善供養を目的とする読経が行われる。日本における檀越の語は,749年(天平勝宝1)の〈聖武天皇詔書銅板〉に,〈代代国王,為我寺檀越〉とあるのがはやい例である。…
… 奈良時代における国家仏教の成立という発展過程に占めた氏寺の位置は,はなはだ大きいといわねばならない。氏族は氏寺を祈願所とし,寺院経営維持のために,寺領や資財などを寄進し,有力者が檀越(だんおつ)として運営に当たったが,檀越の中には往々にして,寺田を私有化し,資財を横領したり,また,王臣貴族に寺を寄進し,王臣家などは代々相承してきた檀越を追放するという現象が,9世紀ころから生じてきた。こうして氏寺は氏族の興亡盛衰に左右されて,有力な大寺の末寺と化するようになっていく。…
…梵語と漢語を合わせて檀施とも記す。また布施する人を意味する檀越dāna‐patiと混用され,寺院や僧尼に衣食住を施与する信者を,僧の方から檀那,檀越(だんおつ)という。中国には檀家制度がなく,寺院が特定の檀越に支えられることは少なかったが,貴族豪民には一家の菩提寺を建てて,寺院に与えられた特権を横取りしたり,寺院の質庫に財産を寄託して殖産をはかるものもあった。…
※「檀越」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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