福大明神町(読み)ふくだいみようじんちよう

日本歴史地名大系 「福大明神町」の解説

福大明神町
ふくだいみようじんちよう

上京区葭屋町中立売上ル

南北に通る葭屋町よしやまち通の両側町。

平安京の条坊では左京北辺二坊北側にあたり、官衙町の「院別納」の地(拾芥抄)。中昔京師地図によれば、当地辺りに中世には浄菩提じようぼだい寺と本法ほんぽう寺があった。本法寺は天文一一年(一五四二)以降当地に移り、天正一八年(一五九〇)寺之内小川てらのうちおがわ(現本法寺前町)に移転した。

寛永一四年(一六三七)洛中絵図には「福大明寺丁」、寛永一八年以前平安城町並図には「福大明神丁」と記される。「京羽二重」に「福大明神 一条通猪熊往古高倉祭之」とあり、当町付近に、以前高倉辺りに祭られていた福大明神社があったと伝え、祭神を「紀貫之霊也」とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の福大明神町の言及

【荼枳尼天】より

…この狐尾は諸願成就の霊験あらたかで福神として祭られた。京都上京区に今も残る福大明神町の名はこの社に由来するという。もともと荼枳尼天は狐と関係ないが,荼枳尼天を狐精とする《吒枳尼陀利王経》が偽撰され,近世の荼枳尼天曼荼羅では,狐に乗った天女の姿で描かれるようになった。…

※「福大明神町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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