福島・喜多方事件

山川 日本史小辞典 改訂新版 「福島・喜多方事件」の解説

福島・喜多方事件
ふくしま・きたかたじけん

福島事件とも。明治期の自由民権運動における最初の大弾圧事件。福島県令三島通庸(みちつね)に対する福島・会津自由党と地域住民の反県令運動が激化するなかで,1882年(明治15)12月県会議長河野広中(ひろなか)らが検挙された。福島県は自由民権運動が早くからおこり,自由党の勢力が強かったことから,政府は自由党撲滅をめざして,三島を県令として赴任させた。三島は県会を軽視する一方で,会津地方に官治的な道路開削工事を強行。県会は5月に議案をすべて否決するとし,会津では住民が権利回復を求めて組織的な反対運動を展開。11月指導者の捕縛をめぐり住民が蜂起すると,警察は自由党党員を内乱陰謀容疑で一斉に逮捕。内乱陰謀容疑は無罪とされたが,河野ら6人は政府転覆盟約をしたとされ国事犯として有期刑に処せられた。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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