福森久助(読み)ふくもり きゅうすけ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「福森久助」の解説

福森久助(初代) ふくもり-きゅうすけ

1767-1818 江戸時代中期-後期の歌舞伎作者。
明和4年生まれ。玉巻恵助(けいすけ)の門下。玉巻丘次・久次などをへて,寛政8年福森久助と改名。文化4年江戸市村座の立作者(たてさくしゃ)となる。京坂作者の作品の翻案を得意とし,浄瑠璃(じょうるり)や長唄作詞にも長じた。文政元年9月8日死去。52歳。江戸出身。初名は昌橋丘次。別名に福森喜宇助。俳名は一雄。作品に「其往昔恋江戸染(そのむかしこいのえどぞめ)」など。

福森久助(2代) ふくもり-きゅうすけ

?-? 江戸時代後期の歌舞伎作者。
是守(これもり)屋助,満寿美(ますみ)孝次,松本幸二(幸次,幸治)などと改名し,文政13年(1830)江戸河原崎座で立作者(たてさくしゃ)となる。天保(てんぽう)4年2代久助を襲名。浄瑠璃(じょうるり),長唄の作詞をよくした。7年以降の活動は不明。初名は成田屋助。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の福森久助の言及

【絵本合法衢】より

…通称《立場の太平次》。4世鶴屋南北,福森久助,2世桜田治助の合作。1810年(文化7)5月江戸市村座初演。…

【鯉つかみ】より

三升屋二三治(みますやにそうじ)著《紙屑籠》に〈始て水船にて作り物の鯉をつかひしは,元祖菊五郎より始りて,親松緑(初世松助)つたへて梅幸(3世菊五郎)へゆづる〉と記すように,元来は尾上家の〈家の芸〉として伝えられた。脚本としては,福森久助,2世瀬川如皐(じよこう)作,1813年(文化10)7月中村座初演《短夜仇散書(みじかようきなのちらしがき)》の〈真崎稲荷の場〉で3世菊五郎の大工六三郎が鯉つかみを演じたのが著名。近代では大阪の市川右団次親子が得意芸とした。…

【其小唄夢廓】より

…2幕。福森久助作。1816年(文化13)正月江戸中村座初演の《比翼蝶春曾我菊(ひよくのちようはるのそがぎく)》の二番目序幕,二幕目が後世に残ったもので,その地に使われた清元の浄瑠璃名題が狂言の名題として伝わった。…

【其往昔恋江戸染】より

…通称《八百屋お七》《天人お七》。福森久助作。1809年(文化6)3月江戸森田座で,お七を5世岩井半四郎,吉三郎を尾上栄三郎(のちの3世菊五郎),紅屋長兵衛を沢村四郎五郎,土左衛門伝吉を3世坂東三津五郎らが初演。…

【謎帯一寸徳兵衛】より

…1811年(文化8)7月《玉藻前尾花錦繡(たまものまえおばなのにしきえ)》の二番目世話狂言として江戸市村座で初演。4世鶴屋南北と福森久助の合作。大島団七を5世松本幸四郎,一寸(いつすん)徳兵衛を3世坂東三津五郎,お辰・お梶を5世岩井半四郎ほか。…

※「福森久助」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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