福祉経済(読み)ふくしけいざい(その他表記)net economic welfare; NEW

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福祉経済」の意味・わかりやすい解説

福祉経済
ふくしけいざい
net economic welfare; NEW

経済的財貨およびサービスのみでなく,人間の福祉に影響を及ぼすあらゆる要素を含めた社会指標のこと。人間的な必要や願望を経済体制の根拠に据えねばならないとして,1970年代初頭に提案された新しい概念。ただし GNP (国民総生産 ) の対立概念ではなく,あくまでも補足的なものとされる。つまり NEW最善の値を計測するということは,貨幣表現のみで経済成長を計測する,いわば経済生活の量のみを重要視するのではなく,生活の経済,社会両面での質の向上に目を向けて,付加項目や差引き項目で GNPを補正していくことであるという。先駆的な NEW推計には W.ノードハウスと J.トービンのものがある。また S.S.クズネッツも GNP計算の福祉内容を広げることに賛意を示している。しかし,NEWの概念について一般的な合意はまだ得られていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...

俎上の魚の用語解説を読む