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国民所得諸概念の一つ。一般にはGNPとよばれる。一国経済の一定期間(通常1年)の生産活動により生産された最終生産物(財・サービス)の総額をいう。2000年以降用いられている国民総所得gross national income(GNI)に相当する。国民総生産から海外からの純所得を控除したものを国内総生産gross domestic product(GDP)とよぶ。国民総生産は、最終生産物に含まれる原材料、中間財の価額を控除してあるので、この期間の粗付加価値となっている。国民総生産から、この期間の生産活動により減価した資本設備の償却額を控除したものが国民純生産net national product(NNP)であり、国民純生産から間接税と補助金との差額を控除したものが国民所得である。一国経済の規模を把握する指標としては、国民総生産のほうが国民所得よりも適切であるとして、第二次世界大戦後広く利用されるようになった。20世紀末のグローバル化、ボーダーレス化の進展によって、域内活動を表す国内総生産を使用することが多くなっている。また、海外資産からの利子所得など金融の国際化を反映した国民総所得も重視されつつある。
[鈴木博夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…すなわちケインズは,現実には経済において資源は必ずしも完全には利用されていない(たとえば労働の不完全雇用つまり失業の存在等)という事実に注目し,新古典派が解答を与えることができない重要な問題,なにが一国全体における資源の利用水準を決定するかという問題に,解答を与える理論を考えたのである。資源の利用度が高まれば当然生産水準も高まるから,ケインズの経済学は結局,一国全体における生産水準,あるいはその代表的な統計である国民総生産(GNP)がどのように決定されるかを考案したものということもできる。 一国全体での生産水準がいかに決定されるかを分析するために,ケインズは経済全体での財・サービスの需要・供給を考えた。…
…国内総生産および国民総生産の概念は,国民経済計算の体系における連結生産勘定の借方項目として記録され,この勘定を作成する国と海外との要素所得の受取りおよび支払と密接な関連をもっている。
[国内総生産]
勘定を作成する国の〈居住者〉である生産者によって生産された〈粗産出〉額から輸入関税を含む〈中間投入〉を差し引いた大きさを購入者価格で評価した金額を〈国内総生産〉(GDPと略記)という。…
…支出国民所得は国民経済の総需要を表し,個人消費支出,政府の財貨・サービス経常購入,国内総資本形成,経常海外余剰に分類されている。 国民所得統計では,生産国民所得と支出国民所得とはそれぞれ国民総生産gross national product(GNP)と国民総支出gross national expenditure(GNE)に対応する。GNPとGNEとは本来等額でなければならないが,実際の推計では二つの値は一致しない。…
※「国民総生産」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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