願望(読み)がんぼう(英語表記)wish

翻訳|wish

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

願望
がんぼう
wish

一般にはその目的を達成する手段がないのに熱望することをいうが、精神分析で願望、欲望といわれているものは、ほとんど無意識的願望であり、かつて経験した満足体験、すなわち失われた満足体験を空想的、記号的に再現しようとするものである。生理的衝動はある特定の対象によって満足される。たとえば空腹は食物によって満たされるが、願望を充足する特定の対象はない。つまり、衝動を満足させた対象の記憶像となんらかの連想的関係のある記号によって満足体験の状況を再現することよりほかに手段はない。この意味で、夢は願望を幻覚的に充足するものであり、そのほか空想や神経症の症状も、願望を充足するものであるとみなされる。

[外林大作・川幡政道]

『フロイト著、高橋義孝訳「夢判断」(『フロイト著作集2』所収・1968・人文書院)』

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デジタル大辞泉の解説

がん‐もう〔グワンマウ〕【願望】

[名](スル)がんぼう(願望)」に同じ。
「殉死を許していただこうという―は」〈鴎外阿部一族

がん‐ぼう〔グワンバウ〕【願望】

[名](スル)
願い望むこと。がんもう。「恒久の平和を願望する」「結婚願望
精神分析で、無意識に心の緊張を解消させようとする動機

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精選版 日本国語大辞典の解説

がん‐ぼう グヮンバウ【願望】

〘名〙
① (━する) ねがいのぞむこと。また、そのねがい。希望。がんもう。
※報恩録(1474)上「能孔老家を尽て其の橋を渡る様にと願望也」
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一二「哀楽あればこそ願望(ガンボウ)あるなり」
② 心理学で、意識された欲望をいう。
③ 精神分析で、動機や目的を意識する、しないに関係なく、心の中の緊張を解消しようとする傾向。「自殺願望」

がん‐もう グヮンマウ【願望】

〘名〙 (「もう」は「望」の呉音) =がんぼう(願望)
※私聚百因縁集(1257)一「往生浄土の願望(クヮンマウ)を遂げけり」

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