願望(読み)ガンボウ

デジタル大辞泉 「願望」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぼう〔グワンバウ〕【願望】

[名](スル)
願い望むこと。がんもう。「恒久の平和を願望する」「結婚願望
精神分析で、無意識に心の緊張を解消させようとする動機
[類語]願い願い事祈願希望願うこいねが望む求める欲する念ずる念願希求庶幾切望切願熱望熱願思う

がん‐もう〔グワンマウ〕【願望】

[名](スル)がんぼう(願望)」に同じ。
殉死を許していただこうという―は」〈鴎外阿部一族

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精選版 日本国語大辞典 「願望」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぼうグヮンバウ【願望】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) ねがいのぞむこと。また、そのねがい。希望。がんもう。
    1. [初出の実例]「能孔老家を尽て其の橋を渡る様にと願望也」(出典:報恩録(1474)上)
    2. 「哀楽あればこそ願望(ガンボウ)あるなり」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一二)
  3. 心理学で、意識された欲望をいう。
  4. 精神分析で、動機や目的を意識する、しないに関係なく、心の中の緊張を解消しようとする傾向。「自殺願望

がん‐もうグヮンマウ【願望】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「もう」は「望」の呉音 ) =がんぼう(願望)
    1. [初出の実例]「往生浄土の願望(クヮンマウ)を遂げけり」(出典:私聚百因縁集(1257)一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「願望」の意味・わかりやすい解説

願望
がんぼう
wish

一般にはその目的を達成する手段がないのに熱望することをいうが、精神分析で願望、欲望といわれているものは、ほとんど無意識的願望であり、かつて経験した満足体験、すなわち失われた満足体験を空想的、記号的に再現しようとするものである。生理的衝動はある特定対象によって満足される。たとえば空腹食物によって満たされるが、願望を充足する特定の対象はない。つまり、衝動を満足させた対象の記憶像となんらかの連想的関係のある記号によって満足体験の状況を再現することよりほかに手段はない。この意味で、夢は願望を幻覚的に充足するものであり、そのほか空想や神経症症状も、願望を充足するものであるとみなされる。

[外林大作・川幡政道]

『フロイト著、高橋義孝訳「夢判断」(『フロイト著作集2』所収・1968・人文書院)』

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普及版 字通 「願望」の読み・字形・画数・意味

【願望】がんぼう

ねがい。

字通「願」の項目を見る

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