秋風の辞(読み)しゅうふうのじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋風の辞」の意味・わかりやすい解説

秋風の辞
しゅうふうのじ

中国、漢の武帝劉徹(りゅうてつ)(前156―前87)の作。武帝が河東山西省)に赴いて土地神を祀(まつ)ったときに、汾河(ふんが)を渡る船の中で群臣と宴を開いて遊び、そのおりに胸中にわいた感懐を歌ったものという。秋の風物を叙述しながら、「歓楽極まって哀情多し。少壮幾時ぞ老いを奈何(いかん)せん」と結ぶ、全9句65字の歌で、各句の中間に兮(けい)というリズムを整える字を挟んだ楚辞(そじ)系統の作品である。『文選(もんぜん)』巻45、『古文真宝』などに収録。

[根岸政子]

『内田泉之助著『漢詩大系4 古詩源 上』(1964・集英社)』

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