国指定史跡ガイド 「称名寺境内」の解説
しょうみょうじけいだい【称名寺境内】
神奈川県横浜市金沢区金沢町にある寺院。市の南端部、東方を東京湾に接する標高8~10mの沖積地に所在する。寺は金沢山称名寺と号し、真言律宗の西大寺末の律院で、本尊は木造弥勒菩薩立像(重要文化財)。金沢(かねざわ)北条氏一門の菩提寺であり、草創の時期は不明だが、1258年(正嘉2)、金沢氏の祖とされている北条実時が、六浦(むつうら)荘金沢の居館内に営んだ持仏堂が始まりと推定されている。その後、寺の基礎が定まるとともに伽藍(がらん)の整備が行われ、1323年(元亨3)には、苑池を中心として金堂、講堂、仁王門など、七堂伽藍を完成させたが、1333年(元弘3)、北条氏の滅亡によって伽藍の維持が困難となり、江戸時代に入ると創建当時の堂塔の姿を喪失した。1922年(大正11)、称名寺の中心区域が国史跡の指定を受け、1972年(昭和47)には境内背後の丘陵を含めた範囲が指定された。1987年(昭和62)には、庭園苑池の保存整備事業が行われた。京浜急行本線金沢文庫駅から横浜京急バス「称名寺」下車、徒歩約4分。