稗・穇子(読み)ひえ

精選版 日本国語大辞典 「稗・穇子」の意味・読み・例文・類語

ひえ【稗・穇子】

〘名〙
イネ科一年草。アジア原産で、古くから各地で栽培され、日本へは縄文時代に渡来し、山間部ややせ地では主食として、平野部では主に救荒作物として栽培されたが、現在ではあまりみられない。高さ約一メートル。葉はイネに似て細長い。夏から秋にかけ、枝頂に長さ一〇~二〇センチメートルの円錐形の花穂をつける。小穂は二花よりなり、一花が紫黒色に熟す。種子食用、または稈・葉とともに飼料に用いる。漢名、稗。《季・秋》
正倉院文書‐天平六年(734)尾張国正税帳「薭五斛 直稲伍拾束 束別一斗」
② (その形状が①の実に似ていることから) 面皰(にきび)。ふきでもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android