稗史億説年代記(読み)くさぞうしこじつけねんだいき

改訂新版 世界大百科事典 「稗史億説年代記」の意味・わかりやすい解説

稗史億説年代記 (くさぞうしこじつけねんだいき)

黄表紙。3冊。式亭三馬画作。1802年(享和2)刊。外題に冠せられた〈又焼直鉢冠姫(またやきなおすはちかつぎひめ)〉の角書(つのがき)が示すように,岸田杜芳作《草双紙年代記》(1783)の小町少将の恋物語を鉢かづき姫の物語に転じて筋を立てている。同書にならって,草双紙が赤本,黒本,青本と変わり,当世風の黄表紙にいたるまでの変遷を,その作風と各画工に似せた絵で示す。巻頭に〈地本問屋の目印〉〈戯作者名寄(なよせ)〉があり,巻末に〈画工名尽(なづくし)〉〈名人戯作者六家撰〉〈名作青本略記〉などを掲げ,当時の黄表紙の作者,画工,作品の評価を示して後世に資するところが多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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