稲荷坂(読み)いなりざか

日本歴史地名大系 「稲荷坂」の解説

稲荷坂
いなりざか

今熊野いまぐまのより稲荷社(現伏見区)に通ずる古道の称。「拾遺都名所図会」に「稲荷坂」として、「新熊より稲荷三ツの峰へ詣する道あり。今車坂といふ。是いにしへの順路なり。稲荷行幸の車、此道を経るとそ。田中社もいにしへ此道にあり」、また「還坂」の項に「是稲荷坂の別名也」とある。車坂・還坂の称もあったことが知られる。「京都府地誌」は車坂を稲荷坂と別に扱い、「車坂 南境、東福寺界内ノ地名」とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「稲荷坂」の解説

稲荷坂〔大田区南千束〕

東京都大田区南千束にある坂の名。名称坂上にあった稲荷社にちなむとされるが現存しない。大田区内にはほかに上池台、石川町にも同名の坂がある。

稲荷坂〔大田区上池台〕

東京都大田区上池台にある坂の名。坂上に祀られた「玉倉稲荷」という稲荷社にちなむ。大田区内にはほかに石川町、南千束にも同名の坂がある。

稲荷坂〔大田区石川町〕

東京都大田区石川町にある坂の名。坂の南側に稲荷社があったことにちなむ。大田区内にはほかに上池台、南千束にも同名の坂がある。

稲荷坂〔港区〕

東京都港区赤坂にある坂の名。円通院境内の稲荷へ通じる門があったためについた名。

稲荷坂〔目黒区〕

東京都目黒区上目黒にある坂の名。付近にある刺抜稲荷大明神にちなむ。

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