突瘤文土器(読み)つきこぶもんどき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「突瘤文土器」の意味・わかりやすい解説

突瘤文土器
つきこぶもんどき

土器の器面を細い棒の先端で直角かそれに近い角度で突いて、反対側に小さな瘤状の隆起文を一列ないし二列にわたって等間隔に施文した土器。通常は内側から外側に突いてつくったものをいうが、外側から突いて内側につくったものを含める場合もある。両者とも北海道の縄文~続縄文時代にたびたび出現するが、前者は縄文後期末、晩期末~続縄文期に、後者は縄文中期、晩期末~続縄文期にそれぞれ多い。突瘤文はシベリアに分布する櫛目文(くしめもん)土器にもみられ両者の関係が注目されたが、その系譜は十分明らかになってはいない。また外側から突くものについては、刺突孔に装飾意図が考えられ、円形刺突文とよぶのがよいとする見解もある。

野村 崇]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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