竜田越(読み)たつたごえ

日本歴史地名大系 「竜田越」の解説

竜田越
たつたごえ

大和と河内を結ぶ古道。法隆寺の南から西に向かい、現三郷さんごう町の竜田大社前をすぎ、大和川北岸の信貴しぎ山麓起伏(竜田山)を越えて現大阪府柏原かしわら市大字高井田たかいだへ出、その西で大和川を渡り、長尾ながお街道(大津道)に接続。

「日本書紀」神武天皇即位前紀戊午年四月九日条に「歩より竜田に趣く。而して其の路狭く嶮しくして、人並み行くこと得ず。乃ち還りて更に東胆駒山を踰えて、中洲に入らむと欲す」とある。竜田道を進んだが狭く険しいので、生駒山を越えて進入しようとした、というのである。これは史実ではないが、竜田越が河内から大和に入る道として早くから注目されていたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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