第一塩(読み)ダイイチエン

化学辞典 第2版 「第一塩」の解説

第一塩
ダイイチエン
primary salt

】オルトリン酸H3PO4のような三塩基酸以上の多塩基酸のH原子1個が,金属原子で置換された形の塩に対する慣用的呼称.例:NaH2PO4;第一リン酸ナトリウム(正式名,リン酸二水素ナトリウム).同様に,H原子2個を金属で置換したものを第二塩とよぶ.【】一つの金属が高低二つの酸化状態に属する2系統の化合物を生じる場合,低い酸化状態の金属塩を第一塩,高いほうのそれを第二塩とよぶ.例:FeSO4;硫酸第一鉄(正式名,硫酸鉄(Ⅱ)),Fe2(SO4)3;硫酸第二鉄(正式名,硫酸鉄(Ⅲ))など.このような慣用名は使わないように勧告されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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