第二性質(読み)ダイニセイシツ

デジタル大辞泉 「第二性質」の意味・読み・例文・類語

だいに‐せいしつ【第二性質】

ロック認識論で、感覚器官への物の作用によって知覚されるにすぎない性質。色・音・味など。→第一性質

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「第二性質」の意味・読み・例文・類語

だいに‐せいしつ【第二性質】

〘名〙 (secondary qualities訳語) 哲学で、事物そのものの中にはないが、事物の第一性質によってわれわれのうち感覚を生みだす力で、色、音、味、においというような感覚的性質。一七世紀イギリスの哲学者ジョン=ロックにより明確に定義された。

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世界大百科事典(旧版)内の第二性質の言及

【もの(物)】より

…このヒュポケイメノンが,ラテン語でも〈下に置かれたもの〉という言葉のつくりをそのまま写してsubstantiaないしsubjectumと,シュンベベコスがaccidensと訳され,物をもろもろの特性の基体・実体とみるこの考え方も,中世のスコラ哲学やさらには近代哲学にも継承される。(4)近代のロックなどにもこの種の考え方は残っており,彼は実体そのものに対しては不可知論的立場をとるが,それでも実体としての物体そのもののうちに実在する第一性質primary qualities(延長,形態,運動など)と,物体によってわれわれの心のうちに生ぜしめられる第二性質secondary qualities(色,音,味,香など)を区別したのに対し,経験論の立場を徹底するD.ヒュームは,経験に与えられることのない実体の想定を否認し,したがって実体を想定してのみ意味をもつ第一性質,第二性質の区別をも否定した。彼にとって〈物〉とは特定の感覚的所与の集合ないし関数関係を名指す名辞にすぎないことになる。…

※「第二性質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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