化学辞典 第2版 「等粘性状態」の解説
等粘性状態
トウネンセイジョウタイ
isoviscous state
ガラス状態を形成するすべての物質において,ガラス転移温度では物質によらず粘度が一定(1013 P(ポアズ,1 P = 10-1 kg m-1 s-1))である状態を等粘性状態という.ガラス転移温度は,粘性流動が測定のタイムスケール内で観察される温度であると考え,ガラス転移温度を等粘性状態であると提案した.T.G. FoxとP.J. Flory(フローリー)は,分子量の異なるポリスチレンについて,ガラス転移温度における粘度が分子量に対してかなり異なることから等粘性状態を否定し,あらたに等自由体積状態を提唱した.現在この考え方は,高分子では受け入れられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報