筋違ふ(読み)スジカウ

デジタル大辞泉 「筋違ふ」の意味・読み・例文・類語

すじ‐か・う〔すぢかふ〕【筋違ふ/筋交ふ】

[動ハ四]
斜めに交差する。はすかいになる。
「箸のいときはやかにつやめきて―・ひ立てるもいとをかし」〈・二〇一〉
斜めに向かい合う。
「いかでかは―・ひ御覧ぜられむとて、なほ伏したれば」〈・一八四〉
そむく。
「あまり世に―・ひて、すずろなる山ごもりがちに物せさせ給ひ」〈浜松・四〉
[動ハ下二]斜めにする。はすかいにする。
「錦の御帳太刀を横さまに―・へたるやうにつけて」〈中務内侍日記・下〉

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精選版 日本国語大辞典 「筋違ふ」の意味・読み・例文・類語

すじ‐か・うすぢかふ【筋違】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 ( 「筋交(か)う」の意 )
    1. 物が斜めに交差する。また、斜めになる。はすかいになる。
      1. [初出の実例]「よしとほめし装束も、すぢかひ、あやしげに出づれば」(出典:落窪物語(10C後)二)
      2. 「くだりの程、端ざまにすぢかひて、倒れぬべく見ゆるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)常夏)
    2. 斜めに向かい合う。
      1. [初出の実例]「いかでかはすぢかひ御覧ぜられんとて、なほ伏したれば」(出典:枕草子(10C終)一八四)
    3. 考えや行動が、他のそれと行き違う。そむく。
      1. [初出の実例]「あまり世にすぢかひて、すずろなる山ごもりがちに物せさせ給ひ、ひがひがしきやうなり」(出典:浜松中納言物語(11C中)四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 斜めにする。傾くようにする。ゆがめる。
    1. [初出の実例]「くもでといへるは〈略〉柱をたよりにて木をすぢかへてうちたるをいふなり」(出典:俊頼髄脳(1115頃))

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