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俊頼髄脳 としよりずいのう

大辞林 第三版の解説

としよりずいのう【俊頼髄脳】

歌学書。二巻。源俊頼著。平安後期成立。詞ことばより心を重んじ、珍しい趣向の必要を説く作歌心得を述べ、歌体を二〇体に分けて善歌・悪歌の例を示す。

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百科事典マイペディアの解説

俊頼髄脳【としよりずいのう】

平安末期の歌学書。源俊頼著。1111年―1114年頃の成立か。序文,歌体・歌病・題詠・秀歌の論,故実,説話等から成るが,多くは和歌にまつわる説話や故実を語る部分である。和歌に〈めづらしきふし〉を求めた新風歌人俊頼歌論として和歌史上の意義が認められる。後続の歌学書にもたびたび引用されるなど,その影響は小さくない。
→関連項目袖中抄

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世界大百科事典 第2版の解説

としよりずいのう【俊頼髄脳】

源俊頼が関白藤原忠実の娘高陽院(かやのいん)泰子に献呈した歌学書。1111‐13年(天永2‐永久1)ころの著作。《俊秘抄》《俊頼口伝集》などの書名でも伝わる。歌体,歌病(かへい),秀歌論から和歌説話に及ぶ博大な和歌概論に仕立て,院政期歌壇指導者として生きた知識と体験を吐露している。歌道執心を説きつつ,末代の歌人は〈心を先として珍しき節を求め,詞を飾り詠む〉新しい歌風をめざすべきことを強調している。【近藤 潤一】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

俊頼髄脳
としよりずいのう

平安後期、院政期歌壇の指導者源俊頼(としより)が書いた歌論書。1112年(天永3)ごろ、藤原勲子(後の鳥羽(とば)院皇后・高陽院(かやのいん)泰子=改名)のために述作したらしい。『俊頼無名抄(むみょうしょう)』『俊秘(しゅんぴ)抄』『俊頼口伝(くでん)集』などの別名でも伝わっている。入門指南のための和歌概説ながら、歌体論、歌病論、和歌効用論から始めて、題詠論、秀歌論、歌語論に及ぶ広い体系的述作を志している。全体に実作の立場から具体的に作品を解明し、和歌説話も豊富に取り込んでいる。俊頼の新風志向がはっきりうかがわれ、後の歌学、歌論に大きな影響を与えた。[近藤潤一]
『橋本不美男校注『俊頼髄脳』(『日本古典文学全集50 歌論集』所収・1975・小学館) ▽佐佐木信綱編、久曽神昇著『日本歌学大系1』(1963・風間書房)』

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世界大百科事典内の俊頼髄脳の言及

【歌論】より

…歌を様式面から10種に分類把握する歌論書である(和歌十体(じつてい))。《俊頼髄脳(としよりずいのう)》は12世紀初頭に成立した歌論書で,源俊頼が関白藤原忠実の娘泰子(高陽院)の作歌参考のために書いた実用向けの歌論である。〈心〉の重視を言いつつ,〈詞をかざり詠むべきなり〉とも言って,〈言葉〉の尊重,言語世界の自立をも示唆している点が斬新であった。…

※「俊頼髄脳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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