鎌倉後期の日記文学。1292年(正応5)ごろ成立。作者は中務大輔(たいふ)藤原永経(ながつね)の女(むすめ)、伏見(ふしみ)院中務内侍(本名経子、生没年未詳)。内容は1280年(弘安3)から92年に至る13年間、伏見天皇の春宮(とうぐう)時代から即位以後にわたり、病気で退出するまでの宮廷生活を記している。趣(おもむき)深い遊宴、華やかな行事、厳かな儀式の模様、忘れがたい旅の思い出などをつづって、伏見天皇に内侍として仕えた光栄を記念したもの。長い春宮時代ののち、伏見は天皇となり持明院(じみょういん)統にようやく春が巡ってきたという感慨が基調にある。なかには浅原為頼(ためより)の伏見天皇暗殺未遂事件の記事もあり、持明院・大覚寺両統迭立(てつりつ)時代の暗さがおのずから反映し、めでたいことを記しているわりには明るさが乏しいが、しみじみときめ細かく、味わい深いところのあるのは伏見・永福門院(えいふくもんいん)を中心とする京極派、玉葉歌風に通じるものがある。
[松本寧至]
『玉井幸助著『中務内侍日記新注』(1958・大修館書店)』▽『玉井幸助著『日記文学の研究』(1965・塙書房)』
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