筒形銅器(読み)つつがたどうき

改訂新版 世界大百科事典 「筒形銅器」の意味・わかりやすい解説

筒形銅器 (つつがたどうき)

杖頭に装着したと推定される古墳時代の青銅製品。長さ13~20cm,径3cm前後の中空円筒形を呈し,やや太く作った一端を封じて頂面とする。頂端から約3分の2の範囲には,四方に縦方向の透し孔を設け,内部に長さ5cmばかりの細い銅棒を収めて,鈴としての効果を発揮させた。開口端に近い約3分の1を木製の杖にはめ,目釘孔を用いて固定したものである。縦方向の透し孔は上下2段に設けるのがふつうで,まれに3段にしたものもある。透し孔が切れる部分に節状の突帯をめぐらす型式古く,これを略した型式が新しい。4世紀後半から5世紀前半にかけて,近畿を中心とする各地の古墳から副葬品として出土しているが,実数は30例ほどで,まだ多くはない。古墳時代の青銅製品として,特殊な関心の対象となり,用途についても,長柄の武器の石突(いしづき)とか,短剣の把(つか)とかにあてる異説が出たこともあった。
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