…武芸鍛練のために行われた射芸の一つで,馬上より遠距離の的を射る競技。その由来は笠を懸けて的としたことによる。的は檜を裏板に用い,表に牛革を張り,革と板の間に綿を入れ,中央に墨で適宜の大きさの丸を描いた連銭のそれが使用された。的間(まとあい)は10丈(約30m)。矢は鏃(やじり)を除いて鏑(かぶら)を大きく笠懸用に作った蟇目(ひきめ)が用いられた。的の遠近により遠笠懸,小笠懸の別があった。ほかに神社の祭祀に供される神事笠懸,鬮(くじ)によって敵手を定め勝負を決する鬮笠懸,また百番笠懸,七夕笠懸などの種類があった。…
※「籤笠懸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」