粘膜ワクチン(読み)ねんまくわくちん(その他表記)mucosal vaccine

知恵蔵 「粘膜ワクチン」の解説

粘膜ワクチン

経口や経鼻投与などにより、粘膜上での局所免疫が期待できるワクチン病原体は多くの場合、体のどこかの粘膜から侵入する。したがって、粘膜面で免疫機構が働くことは、優れたワクチン効果が得られることになる。さらに、局所だけでなく、全身性の免疫も十分期待できる。ただ、免疫力が弱いという欠点もあるので、免疫力を強化するような補助物質やワクチンをうまく透過させたり、持続的に作用させるなどの工夫が必要である。ワクチンとなる抗原物質だけでなく、抗原物質をコード(指定)するDNAを利用したワクチン(DNAワクチン)や植物に作らせた抗原物質(植物ワクチン)などの方法がある。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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