日本大百科全書(ニッポニカ) 「粤漢鉄道」の意味・わかりやすい解説
粤漢鉄道
えっかんてつどう
中国、武漢(武昌(ぶしょう))―広州間(延長1096キロメートル)を結び、湖北、湖南、広東(カントン)の3省を南北に縦貫する幹線鉄道。清(しん)末に計画されたが、最終的にはイギリスからの借款によって、1936年に全通した。しかし、日中戦争とその後の内戦によってしばしば破壊され、縦貫鉄道の機能を十分に果たすことはできず、中華人民共和国成立後の修復、整備によって、初めて南北縦貫幹線としての役割が機能できるようになった。1957年、武漢長江大橋の完成によって、北京(ペキン)―武漢(漢口)間の京漢鉄道と結ばれ、両線を合して現在は京広(けいこう)鉄道と称されている。
[青木栄一]