家庭医学館 「精液瘤」の解説
せいえきりゅう【精液瘤 Spermatocele】
副睾丸(ふくこうがん)にある精子(せいし)を運ぶ管のどこかに閉塞(へいそく)がおこり、逆流した精子によって、睾丸や副睾丸の周囲に精液の入った袋状のものができる病気です。
20歳から50歳代の人におこりますが、痛みなどの症状はありません。
触れて偶然に発見されることが多いのですが、大きくなると陰嚢(いんのう)が腫(は)れて、陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)(「陰嚢水腫(精巣水瘤)」)との区別がむずかしいこともあります。
陰嚢に懐中電灯をあてると、精液瘤は光を通します。針を刺すと乳白色の液体がとれ、穿刺液を検査して精子が発見されれば診断がつきます。
精液瘤は、小さくて症状がなければ治療の必要はありませんが、大きいものは手術して取り除きます。