化学辞典 第2版 「糖ヌクレオチド」の解説
糖ヌクレオチド
トウヌクレオチド
sugar nucleotide
ヌクレオチドの5′位のリン酸基と糖類のヘミアセタールヒドロキシ基(還元性のヒドロキシ基)がエステル結合をした化合物の総称.そのほとんどは,アデノシン二リン酸(ADP),シチジン二リン酸(CDP),グアノシン二リン酸(GDP),ウリジン二リン酸(UDP),デオキシチミジン二リン酸(dTDP)など二リン酸ヌクレオチドをもつが,シチジン一リン酸(CMP)のように一リン酸構造をもつものもある.真核生物において,核で合成されたCMP-シアル酸や,細胞質で合成されたUDP-グルコース,UDP-ガラクトース,GDP-マンノース,GDP-フコースなどはゴルジ装置や小胞体に運ばれ,糖転移酵素の供与体基質となり,さまざまな糖付加反応を起こす.これにより,糖脂質や糖タンパク質のオリゴ糖鎖合成や毒物などのグルクロニド化を行う.また,糖ヌクレオチドは,単糖のヒドロキシ基のエピマー化,酸化,デオキシ化,アミノ基への変換などを行う酵素の基質となる場合が多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報