糸木名村
いときなむら
木之香村の北に位置する。地名はイチキナともいう。北部に河地の集落がある。地内に仲ウスク俣・ウスク田・ウスク道・掟袋・里袋などの地名が残り、中央部のクバントゥという遺跡では一五―一六世紀の中国陶磁が出土している。「おもろさうし」第一四に「糸木名ののろの 童 ちやれ 持たちへ ちやらが嶺 上て 神ぎや船 見れば ゑけり やうらぎやことゝ あんす 痛け思い」と謡われており、ノロが兄弟(ゑけり)の航海が穏やかであることを願っているという意で、海外交易が想定される。面縄間切の伊仙
のうちで、「三州御治世要覧」に同間切一六ヵ村のうちとして「糸木名村」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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