紀夏井邸跡(読み)きのなついていあと

日本歴史地名大系 「紀夏井邸跡」の解説

紀夏井邸跡
きのなついていあと

[現在地名]野市町母代寺・西佐古

母代寺ぼだいじ西佐古にしさこの間にある比高約二〇メートルのかめ山頂上が邸跡と伝え、県指定史跡。紀夏井は貞観八年(八六六)閏三月一〇日の応天門放火の共謀者とされた紀豊城の異母兄で、縁座によって同年土佐に配流となった(三代実録)

配流地には諸説あり、「南路志」には野市村平松ひらまつと里人が伝えるとあるが、「香美郡町村誌」は平松は母代寺村所属の地とし、平松の「大凡東西百弐拾間、南北百五拾間、面積一万八千坪許ニシテ耕宅地及山林等相交レリ」という地が邸跡という。また「香美郡誌」は「口碑ニ往古紀ノゲゼイ卿トイフ人国守ニテ当国ニ下リ玉フ。国守ノ御館ハ今ノ物部川ノ中ニナリタリ」とし、ゲゼイを夏井の呉音化とみて、物部ものべ川の流路変更で川の中になった現土佐山田とさやまだ戸板島といたじま東部にあったと主張。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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