納め(読み)おさめ

精選版 日本国語大辞典 「納め」の意味・読み・例文・類語

おさめをさめ【治・修・納・収】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「おさめる(治)」の連用形の名詞化 )
  2. [ 一 ] ( 治・修 ) ものごとを安定した状態にすること。
    1. 国などを統治すること。
      1. [初出の実例]「国をば治めせいで死士を養ば仇にならうぞ」(出典:史記抄(1477)一二)
    2. 自分の行ない、心などを整え正すこと。
      1. [初出の実例]「生れつきに科(とが)はあらじ、身の修(ヲサ)めなき故なるべし」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)上)
  3. [ 二 ] ( 納・収 ) 物をきちんと中にしまい入れること。また、ある行為や状態を終わらせること。
    1. ある場所にしまい入れること。収納。多く名詞に付けて、「蔵納め」のように用いられる。〔コリャード羅西日辞書(1632)〕
    2. 取り入れること。収穫。多く名詞に付けて「秋収め」のように用いられる。
    3. 受け取り手にさし出すこと。納入。多く名詞に付けて「月納め」のように用いられる。
    4. 自分の領地から取り立てる高(日葡辞書(1603‐04))。
    5. 物事を終わらせること。最後。仕上げ。名詞や動詞の連用形に付けて「仕事納め」「し納め」「見納め」のように用いられる場合もある。
      1. [初出の実例]「此のたび、俄(にはか)にて、おさめの手も、わすれ候ひにたり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
    6. 「おさめ(納)の杯」の略。
      1. [初出の実例]「一盃の酒に親子三人の涙を酌交して、納(ヲサメ)父親に献(さ)し」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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