紙一枚(読み)かみいちまい

精選版 日本国語大辞典 「紙一枚」の意味・読み・例文・類語

かみ【紙】 一枚(いちまい)

① (紙一枚ほどのわずかなものも、の意) 下に打消の語を伴って、その事実、結果などの全くないことを強調する表現
今昔(1120頃か)二九「其に此く行(あるき)けるに、盗人に紙一枚被取る事无かりけり」
② 二つのものごとの間に、ほとんど差がないことのたとえ。かみ一重(ひとえ)
政談(1727頃)一「元来薦被り無宿の者は死と紙一枚程ならでは隔てぬ者成る故」
③ きわめて価値が低いことのたとえ。
一言芳談(1297‐1350頃)上「敬仏房の云、後世者法文は紙(カミ)一枚(マイ)にすぎぬなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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