盗人(読み)ヌスビト

デジタル大辞泉 「盗人」の意味・読み・例文・類語

ぬす‐びと【盗人】

他人所有物を盗み取る者。盗賊。どろぼう。ぬすっと。ぬすと。
人をののしっていう語。ぬすっと。
かぐや姫てふ大―の奴が」〈竹取
[類語]泥棒盗賊強盗追い剝ぎこそ泥ギャング辻強盗物取り夜盗空き巣空き巣狙い板の間稼ぎ枕探し護摩の灰車上荒らし火事場泥棒掏摸かっぱらい巾着切り箱師万引き置き引き引ったくり

ぬす‐と【盗人】

ぬすびと1」に同じ。
「嘘は云わん、―はせん男と云う事が」〈蘆花思出の記

ぬすっ‐と【盗人】

ぬすびと」の音変化。

とう‐じん〔タウ‐〕【盗人】

ぬすびと。盗賊。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「盗人」の意味・読み・例文・類語

ぬす‐びと【盗人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他人の持ち物を盗みとる者。物とり。盗賊。どろぼう。ぬすっと。ぬすっとう。ぬすと。
    1. [初出の実例]「天下大きに飢ゆ。〈略〉幼は乳を含みて母子共に死ぬ。又強盗窃盗(ヌスヒト)、並びに大きに起りて止(や)む可からず」(出典日本書紀(720)推古三四年是歳(岩崎本訓))
  3. 人をののしっていう語。ぬすっと。ぬすと。
    1. [初出の実例]「かぐや姫てふ大ぬす人の奴が、人を殺さんとするなりけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))

ぬす‐と【盗人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ぬすど」とも ) =ぬすびと(盗人)日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「火事が多いぞ。ぬすとがあるぞ」(出典:尋常小学読本(明治三七年)(1904)八)

とう‐じんタウ‥【盗人】

  1. 〘 名詞 〙 ぬすびと。盗賊。
    1. [初出の実例]「請被殊任道理加証判、盗人盗取私所領作手畠」(出典:法隆寺文書‐永承元年(1046)一〇月二八日・僧長仁公験紛失状案)
    2. [その他の文献]〔墨子‐尚賢上〕

ぬすっ‐と【盗人】

  1. 〘 名詞 〙 「ぬすびと(盗人)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「此盗人(ヌスット)めといひながら」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)四)

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普及版 字通 「盗人」の読み・字形・画数・意味

【盗人】とう(たう)じん

ぬすびと。〔荘子、田子方〕古の眞人は、知くことを得ず、美人も濫(みだ)すことを得ず、盜人も劫(おびや)かすことを得ず。

字通「盗」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の盗人の言及

【盗賊】より

…他人の財物を略取する者をいう。どろぼう,盗人とも呼ばれるが,それらより凶悪な者を指すことが多い。盗んだ物を貧しい者に分け与える義賊とは異なり,恐れられることが多いが,稀代の大盗賊のなかには,民衆からひそかな喝采(かつさい)をおくられた者も少なくなかったことが知られている。…

※「盗人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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