最新 地学事典 「紡錘虫類」の解説
ぼうすいちゅうるい
紡錘虫類
学◆Fusulinidae 英◆fusulinid
有孔虫類に属する。フズリナ類とも。石炭紀前期に繁栄した小型有孔虫(Endothyrida)から進化し,石炭紀後期に入って急速な形態発達に伴って,100属以上,約5,000種にも及ぶ多くの種属に分化し,ペルム紀末に絶滅。その進化過程では次のような形態の変化が認められる。1)殻が小さいもの(数百µm)から大きなもの(数cm)に変化。2)旋回軸が短いものから長いものへと変化(扁豆形から紡錘形への変化)。3)殻壁の未分化層から分化層への発達。4)隔壁の褶曲の複雑化,または格子構造への分化。5)二次的沈殿物(コマータ,準コマータ)の分化。紡錘虫類の大多数の属は,オーストラリア・南極大陸を除くほとんどすべての大陸から産出。したがって,その生息圏はユーラシア・米国の大地向斜地帯およびそれに近接する地向斜群のほとんど大部分の海域に及んでいた。古生代後期の有効な示準化石。紡錘虫の生息区(動物地理区)は,いくつかに分けられるとはいえ,世界的対比上価値のある紡錘虫化石帯が設定されて,各地域相互の階・亜階単位での対比を容易にしている。また,しばしばサンゴ・石灰藻とともに浅海炭酸塩堆積物から発見されるので,示相化石としても有効といえよう。
執筆者:石井 健一


出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

