紫雲出山遺跡（読み）しうんでやまいせき

日本歴史地名大系

紫雲出山遺跡
しうんでやまいせき

• 香川県：三豊郡
• 詫間町
• 大浜浦
• 紫雲出山遺跡

[現在地名]詫間町大浜

紫雲出山（三五二・四メートル）は荘内（しようない）半島の最高峰で、山頂部はおよそ延長五〇〇メートル、幅一〇〇メートルほどの緩やかな広がりをみせる。包含層はほぼ山頂部一帯に広がっていると推定される。発掘調査は昭和三〇年（一九五五）から三二年にかけて実施された。特記すべき遺構は検出されなかったが、小規模ながら貝塚を伴い、多数の土器や石器・鉄製品や骨角器が出土した。土器は三タイプに分類され、それぞれ讃岐の中期II・中期III・中期IVに位置付けされた。石器としては打製石包丁の出土と多数の石鏃が注目される。なかでも凸基式の石鏃が武器としての性格を具備しているとし、石槍の出土とも併せてみるとき、単なる農耕遺跡ではなく防御的な性格を帯びた遺跡であるとされる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」