ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経腸栄養剤」の意味・わかりやすい解説 経腸栄養剤けいちょうえいようざい 消化器系の手術後や意識障害などにより,固形の食物が摂取できない場合に,チューブを通して液状の栄養食を胃または小腸へ注入する方法を経腸栄養法といい,これに用いられる糖質,蛋白質,脂質,ビタミン,無機質などを配合した薬剤を経腸栄養剤という。消化されやすい糖質や蛋白質の部分加水分解物を,ほかの栄養源と混合したものは半消化態栄養と呼ばれ,経口,経管の両方で用いられる。これに対して,NASAの宇宙食の研究から作られた,アミノ酸,ペプチドなど蛋白の分解物とデキストリンなどの糖質,植物油,ビタミン,無機質などからなり,消化の必要がなく,残渣の排泄の必要のない状態の薬剤を成分栄養といい,経管投与により摂取される。いずれの場合にも,必要に応じて十分なエネルギーと栄養素が供給でき,病態による栄養素の成分コントロールも容易であることから,合理的な栄養補給の手段となっている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by